基板設計に必用な資料についてのシリーズです
最初に基板設計依頼時の資料にはどんなものがあったか一覧してみましょう。
基板設計に必要な資料
1 回路図
2 ネットリスト
3 部品リスト
4 基板外形図
5 部品レイアウト図
6 部品カタログ
7 配置・配線の注意事項
8 配線仕様等、基板に制約があるデバイスはその仕様書
9 規格に則った設計をしなければいけない場合はその仕様書
どの様に指示したら、効率よく・指示を網羅した基板ができるか
では上記のような注意事項をどの様に書いたら配置配線が効率よく、指示を遵守した基板になるか基板設計側からの視点からですが、考えてみましょう。
まずは、「注意事項はなるべくまとめて書く」です。
どうしても分けるなら配置の指示は部品レイアウト図に、配線の指示は配線指示書として1枚にまとめるか回路図に書く様にして、3箇所以上あちらこちらの書類にバラバラ少量づつ書くのは避けましょう。
あちこち見なければいけないのは、設計時に効率悪く、しかも見落としが発生し易くなります。設計した基板をチェックする際も同様です。
また皆さんがチェックする際も、大変になりますよ。
次に、「回路図中に書き込んでしまう」です。文章だけで表現するよりわかり易く、かつ信号名等を転記する必要が無いので指示まちがいなどを減らす事ができます。
回路図中では文章でかかなくても、記号を決めてそれを書き込んでも良いでしょう。そうすれば更に指示の手間が省略できます。
また、回路図がゴチャゴチャしないですっきりします。
例
GNDでシールドするラインは両側に太めのラインを入れる
ペアラインは矢印 ⇔ を間に入れる
最後に「打合せの際になぜその様にしたいかを説明する」です。
説明されれば記憶に残りますし、忘れていても指示書を見たら思い出します。
また、そうする理由を基板設計者が理解していれば基板設計時に指示通りに出来ない場合代案を考えてくれたり、もっと良い方法があればそちらを提案してくれたりもします。
(そういう意味で基板の打合せ時に営業さんしか来ない会社は不安ですよね)
但し、回路図中に書く場合は最初からゆとりを持って(シンボルや信号線間を適度に空けて)回路図を書いておく事が必要になります。
また、回路図中に書くと別のメリットもあります。それは、その様な回路図を集めれば、実績のあるデータベースになる事です。
回路図に書いてあれば、その基板に関する情報が一箇所にまとまってわかりやすいし、漏れが出ないです。
これならば翌年のモデル担当者が変わっても、回路図を見ればなにを指示したかわかります。
りっぱなナレッジデータベースですよね。
なので回路図はこまめにメンテナンスして最新にしましょうね。
photo by Takashi Q. Hanamura Takashi Q. Hanamura Photography