基板設計の工程(の流れ)についてのシリーズ5回目です。
今回は、基板外形・禁止領域・高さ制限領域等入力について解説します。
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基板設計の工程(全体の流れ)
まずは新規に基板設計する時の順番と全体の流を示します。
(お客様)と記載がある工程はお客様実施項目です。
(1) 設計資料・仕様書・部品図面確認
↓
(2) 部品登録・チェック
↓
(3) 回路情報定義
↓
(4) 基板外形・禁止領域・高さ制限領域等入力
↓
(5) 位置指定部品配置
↓
(6) その他部品配置
↓
(7) 配置検図(お客様)
↓
(8) 修正
↓
(9) 配線
↓
(10)配線整形化・GNDベタ入力
↓
(11)チェック
↓
(12)シルク入力・チェック
↓
(13)検図(お客様)
↓
(14)修正
↓
(15)設計承認(お客様)
↓
(16)ガーバーデータ・基板製作用図面作成
↓
(17)組立図・搭載機用データ作成
基板外形・禁止領域・高さ制限領域等入力
前工程の、回路情報定義までが設計準備工程になります。
設計準備工程が終了すると、基板のCADデーターができます。
ここからは、できたCADデータに対して入力・編集を行って行きます。
この工程では
1)基板の外形
2)部品配置禁止領域
3)配線禁止領域
4)高さ制限領域
を入力して行きます。
上記の作業をたとえて言うなら、「畑を耕して作物を作る時、
作物を植える(植えることのできる)範囲を決める」
と言う事になります。
最近の一般的な基板設計CADでは、上記の4種類の制約は
それぞれ専用に入力する層を設定する事ができます。
また、その専用層に入力すれば、設計中に制約違反となった場合、
CADが警告を出してくれます。
更に、後から制約違反となっている部分がないか、一括でチェックを
行う事ができます。
但し、高さ制限については準備工程で作成した部品に高さ情報が
入っていなければなりません。
最近の高さ制限等が複雑に入り組んだ基板では、人間の目でチェック
するのは限界があります。上記の様なCADのチェック機能を上手に
使いこなすことが、早く・正確な基板を設計する早道であり、
重要な事と思います。
その為、時間がかかって一見無駄な事の様ですが、上記1)〜4)
のデーターはきちんと入れる事が大切になってきます。
また、DXFデーターを入力する事ができるCADもありますので、
機構担当者から基板外形や高さ制限領域のDXFデーターを頂いて
それを基板のCADデーターに入力する場合もあります。
但し、上記で入力されたデーターは、単なる絵でしかありません。
基板CADが認識する基板外形や高さ制限領域などにする為には
それらを元に更に入力作業が必要となります。