今回は、配線について解説します。
photo by はなむら たかし 信州 Snap::Life
基板設計の工程(全体の流れ)
まずは新規に基板設計する時の順番と全体の流を示します。
(お客様)と記載がある工程はお客様実施項目です。
(1) 設計資料・仕様書・部品図面確認
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(2) 部品登録・チェック
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(3) 回路情報定義
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(4) 基板外形・禁止領域・高さ制限領域等入力
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(5) 位置指定部品配置
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(6) その他部品配置
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(7) 配置検図(お客様)
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(8) 修正
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(9) 配線
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(10)配線整形化・GNDベタ入力
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(11)チェック
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(12)シルク入力・チェック
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(13)検図(お客様)
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(14)修正
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(15)設計承認(お客様)
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(16)ガーバーデータ・基板製作用図面作成
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(17)組立図・搭載機用データ作成
配線
配置の済んだ部品間を配線して行く工程です。
配線の際の手順としては一般的に以下の様な手順で行います。
配線幅/間隔、使用可能なビア等の制約(デザインルール)を設定
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始めに配線が必要な信号を配線
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バスラインなどの束になっている信号を配線
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その他の配線
「始めに配線が必要な信号を配線」という表現はすっきりしない表現ですが、それは最新のEMCや信号品質(Signalintegrity)を考慮した基板設計では昔の様に、「クロックライン真っ先に、最短で」という単純な物ではないからです。
これについて書いていると長くなってしまうので、別の機会に詳しく書きたいと思います。
配線幅/間隔、使用可能なビア等の制約(デザインルール)をしっかり設定する事も、近年の高速動作回路の高密度基板では重要です。ここで設定しておくと配線中に制約違反となった場合警告が出て配線する事ができません。
近年の基板は高密度であるにも関わらず制約は大幅に増えていますので、配線後に制約違反を見つける事も大変だし、それを直すのはもっと大変です。配線中に、いかに制約を守るように設計するかが重要になって来ます。
ネット情報(接続情報)を付加できる一般的な基板設計CADでは、接続するべき部品の端子間に「くもの糸」の様な表示があります。それらは「ラッツ」または「ラッツネット」などと呼ばれています。
これにより、どの端子に接続すれば良いか、視覚的にわかる様になっています。
また接続情報を持っているので、誤った端子に接続しようとしてもエラーとなって接続できません。