基板設計に必用な資料についてのシリーズです
最初に基板設計依頼時の資料にはどんなものがあったか一覧してみましょう。
基板設計に必要な資料
1 回路図
2 ネットリスト
3 部品リスト
4 基板外形図
5 部品レイアウト図
6 部品カタログ
7 配置・配線の注意事項
8 配線仕様等、基板に制約があるデバイスはその仕様書
9 規格に則った設計をしなければいけない場合はその仕様書
photo by Takashi Q. Hanamura Takashi Q. Hanamura Photography
基板外形図・部品レイアウト図のポイント
3)取り付け穴がある場合、レジスト無し(=銅箔を出す)か有りか
取り付け穴があって、その部分のレジスト無し(=銅箔を出す)にしたい場合は指示が必要です。
前号にも書きましたが、一般的に指示が無い場合は何もしませんのでその部分にレジストがかかってしまいます。
上記の文はちょっとわかりにくいので補足をすると、基板設計のCAD上では、レジスト層に四角とか丸とかの図形を入れると基板にした時その部分のレジストが無くなり、銅箔が出るようになります。
なので何もしない=何も図形を入れない=レジストで覆われてしまうという事になります。
またこの時の指示の文ですが「レジスト無し」という表現で大丈夫ですが、検図する際、必ず確認しましょう。
この辺の文章表現は設計出す側も受ける側も独自の企業文化の様なものがあり思ったとおりないならない事もありますので。
4)レイアウト図で、向き指定のあるコネクタ等の部品のが向きが指示されているか
特に
●基板間で勘合するコネクタを使用する場合
●基板の内側に勘合側が向いている場合
は要注意!です。
勘合するコネクタの場合、
●コネクタのどこを1ピンにするかで、上と下のコネクタで
ピン番号が逆になる場合がある
●半田面搭載の場合、更に逆になる
等、色々と考慮すべきことが多々あります。
この様にミスの発生しやすい部分なのに、ミスすると致命傷になります。
他の部分でいくら一生懸命設計しても、勘合コネクタが違っているだけで全く使い物にならない基板になってしまいますから実に恐ろしいですね。
確認する際ですが、ピン番号同士があっているか(=1ピンが1ピンの所にあるか)ではなく、信号名が勘合する同士で一致しているかで確認する方が確実です。
また勘合コネクタに関連して、もう一つ。
勘合するコネクタの位置とマザーボードの相手側の位置を、必ず確認しましょう。
基板ができてから、ぶつかって勘合できなかったり、基板がはみ出したりしても、その時点ではもどうしようもありません。
最初のうちは、マザーボード・ドータボードの原寸で紙を切って、コネクタの位置を記入して重ねて見るくらいしても良いと思います。
(実際のモックアップを作ると、問題点等良く見えてきます)
基板の内側に勘合側が向いている場合も要注意です。
これも意外に最初は指示の無い事が多い項目です。
勘合する側は基板外側または上側を向いているのが通常なので特に指示がないと外向きに置いてしまいます。
コネクタの場合、相手側が刺さるので、その部分かなり部品を避ける必用がありますし、背の高い部品も周囲には置けません。
後から気がついて修正の場合、部品配置が全く異なってしまう場合も出てきます。