最近の電子機器でされるデバイス(IC)は低電圧化・大電流化の傾向にあります。
この傾向により、以下の様な問題が出やすくなっています。
1)動作電圧の低下による電圧マージンの減少
2)大電流化したデバイスの動的負荷変動が原因の電源電圧変動が大きくなる
これらの要因により、回路や基板の設計は10年前に比べて非常にタイトになっています。
弊社では上記の様な問題の対策の一助として、基板設計時に工夫していることがあります。
どんな工夫をしているかという説明の前に、まずはコンデンサの活用法確認してみたいと思います。
コンデンサの3つの活用法
コンデンサには3つの活用法があります。
1)アクロス・ザ・ライン=2つのライン間(電流の流れる経路間)のノイズの除去
2)バイパス・コンデンサ=DC電源からノイズを除去する
3)デカップリング=ICの動作に必要な電荷を直近で供給できるように回路のループを小さくする
どんな工夫をしているか
私たちは3番目のコンデンサのデカップリング効果に着目し、電源端子に必要な電荷が直近より
供給されることにより、上に書いた様な問題点を出にくくし、デバイスが安定動作するように設計のしています。
更には、それらを目視でチェックするのではなく、専用のツールを使い検証しています。
下記は専用ツールを使ってチェックしている様子です。
電源側・GND側それぞれ、予測される電流のルートがハイライトされています。
また、これらのルートは数値化されて表示もされます。
私たちは専用のツールをつかうことにより、
1)短時間で確認→修正→再チェックが可能
2)もれなく、確認が必要な部分すべてチェックできる
という利点もあります。
まとめ
私たちは、他の設計会社では、ほとんど実施していないと思われる上記のようなチェックをツールを使って行うことによりきちんとデバイスが動作するように設計を工夫しています。以上、日々の設計からの一コマでした。